○日時:9月11日(土)13:30~17:30
○第1部(読書会):『「渦中」の心理学へ』(浜田寿美男・伊藤哲司、新曜社)
浜田さんや伊藤さんは次のように述べています(P.163~210)。
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できれば「心の時代」は終わったと「宣言」したいところです
「心」を「心」そのものとして取りあげてしまうために、逆にその「心」を取り巻く状況の問題をとかくないがしろにしてしまうことの方が多い
気になるのは、やはり問題を「心」というところに限定してしまうことです。まるで周囲の状況とは独立に「心」というものがあって、その「心」をなんとかすれば、状況もまた切り開かれていくかのように思ってしまう。だけど、問題はそんな簡単なもんじゃない
心理学というと、とかく人の「内面を」見つめて、その「心」の働きを捉えようとするものだと思われやすいのですが、人は「内面を」生きているわけではありません (浜田)
臨床心理学が「心」に特化してそれを見つめすぎ、一方で実験心理学が「科学的」であることを理由に上空飛行的視点からやはり「心」を扱おうとする
本当は、「他者と出会い自分を知る」ということが、自分(たち)の「心理」を知る上でも重要だと思うのです
自分の心だけを見つめても、それで自分の心を知ることなどできず、むしろ外に目を向けて、自分とは異なる社会的、文化的、歴史的なバックグラウンドを持った他者と出会うこと、そして言葉を交わしてみること、ぶつかってみること等々をとおしてみえるものがあるはず (伊藤)
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