「高齢者ケア・フォーラム」をご案内します。
■テーマ:高齢者施設での「看取りケア」を考える
・私たちは、どこで、どのように、だれに看取られて、「死」を迎えるのか。
・「看取りケア」の実践事例、課題、問題、施設職員の苦悩・迷い・思い……。
・“死”をみつめることは“生”を深めることにつながる。
・ここに“ケア”の真髄のひとつがある。
・語り合おう、学び合おう。「死」と「生」と「看取り」について。
■日時・会場・会費など
・日時: 2010年12月18日 (土) 9:30~12:00
・会場:「キャンパスプラザ京都」4階第3講義室
(京都駅北口より西へ徒歩5分・ビックカメラ北側)
・会費:300円
・定員:170名 (どなたでも参加できます。直接会場へお越し下さい。先着順。)
・問い合わせ:林道也 (京都市修徳地域包括支援センター)、884michiya@gmail.com、090-5366-1497
■プレゼンテーション(基調発表)
(1)特別養護老人ホーム 同和園
熊川敦子(主任ケアワーカー)、田中聖士(ケアワーカー)、
「人生の最期――『おーい』、『最後のプール』」
(2)特別養護老人ホーム 原谷こぶしの里
林真知子(介護職員)
「原谷こぶしの里の看取りケアについて」
(3)特別養護老人ホーム 紫野
浅田修平(ケアワーカー)、大西紗智(ケアワーカー)
「生活に寄り添う看取りケア ~年間17名の看取りを経験して~ 」
(4)特別養護老人ホーム 塔南の園
松本勝紀(ユニットリーダー・ケアワーカー)
「最後まで支えたかった ご本人の12年の思い」
■トークセッション (シンポジウム)
・浜渦辰二(大阪大学大学院文学研究科臨床哲学 教授)
・橋本武也(特別養護老人ホーム同和園 園長)
・基調発表施設から
・司会:林道也
■主催:京都福祉サービス協会職員労働組合施設部
共催:「ケアの臨床哲学」研究会、京都福祉サービス協会職員労働組合居宅部、京都福祉サービス協会ホームヘルパー労働組合(京都ヘルパーネット)
後援:患者のウェル・リビングを考える会、NPO法人ナースネット研究会、NPO法人きょうと介護保険にかかわる会、マイケアプラン研究会、福祉保育労働組合京都市社会福祉協議会分会、(社)京都ボランティア協会、〈ケア〉を考える会、リーガルサポート京都支部
■なぜ労働組合が<ケア・フォーラム>を開くのか
高齢者福祉介護の現場で働く私たちは、よりよい介護の従事者、ケアの担い手になりたいと思いながら現場に立っています。何よりもご利用者の尊厳と利益のために働きます。ご利用者の笑顔や幸せに接することが私たちの願いです。日々のケアを通して、ご利用者がよりよい生活を送ることができ、少しでも生きる張り合いが持てるよう支援したいと思っています。
一方で、その介護・ケアに対する思いが強ければ強いほど、私たちは、壁にぶつかったり悩んだりします。私たちの前には高齢者福祉介護の課題や問題が大きく立ちふさがっています。高齢利用者一人ひとりを前にして、どのようなケア者であればよいのか苦悩し立ち往生することがあります。そんな時、学ぶことや、語り合うことの重要性を感じます。
私たち一人ひとりは弱い存在です。だからこそ、働く者が力を合わせて助け合うことで大きく強くなりたいと「労働組合」に集まりました。私たちは、よりよい介護ケアの仕事をするために、働きやすい労働環境と生活環境を求め、労働条件向上のために活動します。そして、学び語り合う会<ケア・フォーラム>を開きます。
今回、私たちは、この第1回目の<ケア・フォーラム>のテーマを施設での「看取りケア」としました。それは、ここに、「ケア」を考える原点のようなものの一つがあると思うからです。そして、この大切なテーマを、多くの市民の皆さんとともに考えたいと願っています。
■鷲田清一さんのことば
「ひとはしばしば、どのような場所で死にたいかと問う。病院でか自宅でか、実子の家族のもとでか故郷でか。でもそこでほんとうに問われているのは、じぶんがだれに看取られつつ死を迎えたいかということだろう。だが、その「だれ」は、けして家族であるとはかぎらない。ときに施設や病院のスタッフやボランティアのひとが家族よりもはるかにその「だれ」にふさわしいことがある。」(『〈弱さ〉のちから』より)
■村上春樹さんのことば
「自分がいつか死んでしまうんだとわかっているからこそ、人は自分がここにこうして生きていることの意味について真剣に考えないわけにいかないんじゃないかな。……死というものの存在が鮮やかで巨大であればあるほど、私たちは死にもの狂いでものを考えるわけ」(『ねじまき鳥クロニクル2』より)